平成の時代が終わり、新たな年号に変わろうとしています。そんな平成のグラフィックデザインを振り返ると、デジタル技術の進歩と合わせて、あらゆることが様変わりしました。
そして、くしくも平成がはじまった1989年に創刊し、この2019年4月号をもって休刊となる本誌は、平成のデジタルデザインと共に歩んできました。
本特集では、平成のグラフィックデザインを語る上では欠かすことのできないデザイナーと、革新的だった出来事を振り返ります。平成のデジタルデザインと、エンターテインメントの視覚表現を追ってきたMdNの視点で、平成のグラフィックデザイン史を辿っていきます。
田島照久が、アニメ業界にグラフィックデザインの概念を取り入れた。(語り手:染谷洋平)
信藤三雄が、平成の音楽のビジュアルを拡張し牽引した。(文:編集部)
groovisionsは、chappieによってデジタルデザインのシステム自体を作品化した。(文:水島 己)
常盤 響は、DJ的感覚で90年代の東京のカルチャーをビジュアライズした。(文:菊池元淑[LOKI])
Enlightenmentが、アートとグラフィックの新境地を開いた。(文:蜂賀 亨)
草野 剛は、普遍性の高いデザインでアニメが持つ突破力を増幅させた。(文:杉山峻輔)
中村勇吾が、Flashを基調としてインタラクティブ・デザインの新しい形を作り上げた。(語り手:萩原俊矢、花村太郎、西村斉輝/文:平岩真輔)
川谷康久は、少女マンガのグラフィックの風景を変えた。(語り手:染谷洋平)
チームラボが、クリエイティブと技術の相互作用から新しい体験を生み出した。(文:編集部)
印刷工程とデザインの表現に大変革をもたらした「DTP」。インタラクティブなデザインを一気に押し広げた「Adobe Flash」。文字をデザイナーのもとに開放しデザインの風景を一変させた「デジタルフォント」。
●MdN最初期のPhotoshop/Illustrator記事を再収録
・MdN創刊号(1989年)に掲載されたIllustratorの記事
・MdN vol.3(1990年)掲載の初期Photoshopの記事
・Illustrator 5 .0の記事
・Photoshop3.0Jの記事